続々、パソコンは買うな(了)

PCトラブル

~前回までのあらすじ~

家電量販店に並ぶメーカー製パソコンの数々、よくわからないスペック表・・
(そもそもスペックってなんだ・・・?知ってるつもりのCPU・・!数字が大きければいいのか?HDD!メモリが16だけど少なくない?!でも、聞けない・・・)その時背後から突如声をかけて来る者が!店員!万事休す・・・。このままではいいように買わされてしまう・・・!

ところで最近、原価厨という言葉をよく聞くようになりましたね。
ある商品やサービスに対して、”原価は○○円だからもっと安くできるはずだ!”などと、勝手な想像と
自己中心的で偏った拘りを押し付け、非難し、価値を損なわせる一部の方々のことです。
私も技術サービス業なので、価値が明確につけ難い為おおいに悩ましい問題ではあります。
手先動かしてるだけで10分\3,000ですーって確かに納得し辛いの、想像はできます。
以前、量販店サポートの時代、販売スタッフとの長時間に渡るバトルの結果、10万円程度のパソコンを8万以下で購入する事ができたお客様に、サポートプラン(2~3万円)のご提案をした際に、
『なんで8万円のパソコンの設定が、3万円もするんだ!』
とお叱りを受けたことがありまして、
(何度もあります)パソコンが10万→8万になるカラクリ(勿論あります。)をお伝えする事もできないし、じゃあ、サポート受けなくていいんじゃないですか?とも言えないので、一通りの説明をしたうえで、こちらからやんわりとお断りされるよう誘導していました。(ここで納得いかないまま進めると、それ以上時間も労力も消費するクレームに発展するので)

 サービスは安売りできません。というのは我々にとってはすごく重要な話ですが、このお話の要点はそこではありません。なぜ、10万円と表記されていたパソコンが8万円で買えるようになったのか、
8万円で売れるパソコンの本当の価値はいくらなのか?そしてなぜ、このように価値がフワフワしたものを買ってしまうのか?

この逆原価厨現象を紐解きながら、なぜパソコンを(量販店で)買ってはいけないのか?
ではどうしたらいいのか?をまとめていきたいと思います。

1.今日から実践できる量販店で安く買うコツ!(なぜ値引き10→8の値引きが可能か)

まず店頭で品定めした商品の型番を確認します。
インターネット大手通販サイトやkakaku.comでその型番を検索します。
最安値をメモしたら、販売スタッフに率直にこういいます。
『○○で~円で買えるようだけど、こちらではおいくらにしてもらえますか?』
ほとんどの場合これで、最安値(よりすこぉし高いくらい)まで値下げしてもらえるでしょう。
こういった交渉は実際のところ、販売スタッフは嫌がりません。
クロージング(値下げ交渉からお支払い)が早く済むのであれば、売り上げが下がっても一本売れてラッキー!ってなものです。誰も傷みません。勿論すべての商品がそうとは限りませんし、
中には値下げじゃなくて『おまけをつけるのでこれ以上は勘弁してください』となる場合もありますので、過度の交渉は控えたほうが賢明でしょう。

2.では8万円で買えたパソコンの原価は実際いくらなのか?

結論から言いますと、正確にはわかりません。しかし、ある程度はわかってしまいます。
店頭プライスに記載のスペック表と、先ほど調べた型番を利用します。
ここからは少し面倒ではありますが、やってしまえば単純な引き算だということがあるので、
実践してみて損はありませんよ。面倒な方はスペック表だけでも利用して調べてみるといいかもしれません。
ここではセパレート型デスクトップ(画面と本体と別々のタイプ)を前提とします。
①CPU,HDD,メモリの値段を調べる(超初級)
 仮に・・・・CPU:Corei5 9○○○(\18,000)/HDD:2TB(\9,000)/メモリDDR4 8GB(\6,000)とします。
 購入予定価格が\80,000ですから、ここから単純に引いていきましょう。

  • 本体購入予定価格¥80,000
  • ーCPU¥18,000
  • ーHDD¥9,000
  • ーメモリ¥6,000
  • =¥47,000

②他にわかりそうなものを調べる
 それではディスプレイ、キーボード、モニターはどうでしょう?このあたりはまだ量販店でも販売 している商品なので想像もし易いですね。
 仮に・・・21インチディスプレイ(\12,000)キーボード(\2,000)マウス(\1,000)とします。
 これらは少し高めに見積もりしています。

  • ¥47,000
  • ーディスプレイ¥12,000
  • ーキーボード¥2,000
  • ーマウス¥1,000
  • =¥32,000

③ソフトウェアはいくらなのか?(WindowsOS、Office、年賀状ソフト、他)
 ここから難しくなってきます。Microsoft製品には一般的に購入できる”パッケージ版”
 ”アップグレード版”これらのダウンロード版のほかに、”DSP版”と呼ばれる、パソコンパーツとの
 セット販売を前提に売られているより安価なものと、パソコンを販売しているメーカーなどだけが 基本的に入手できる”OEM版”があります。これをもとにまずは下記を参照下さい。

  1. Windows10 パッケージ版 ¥22,000(Amazon調べ)
  2. Windows10 DSP版(USBカードセット)¥13,000 (内USBカードは\3,000程度とする)
  3. WIndows10 OEM版 ・・・・???????

 大体、パッケージ版とDSP版の値段差が約\10,000程あるのを考慮すると、
 OEM版は更に安く数千円程度と見るのが妥当でしょう。ここでは高めに見て\5,000と設定します。
 次に、Officeソフトですね。こちらも同様にパッケージ版(\20,000-\30,000)などが存在しますが、
 OEM版の原価は不明です。ここでは仮に\5,000としましょう。他にも…

  • 年賀状作成ソフト(筆まめ、筆ぐるめ等)
    DVDライティングソフト
    ムービー作成ソフト
    メディアプレイヤーソフト

    ウイルス対策ソフト

この辺りは一般家庭向けパソコンであれば大体インストールされています。が、当然ここにも
コストがかかっているはずです。代表的なところで”筆まめ”がおよそ\3,980程度で流通しているので
これの半値、八掛けでざくっと5本分と試算して\8,000としておきましょう。

さてソフトウェアの合算はどうなったでしょうか?ここまで減算された価格想定は\32,000です。

  • ¥32,000
  • ーWindowsOS ¥5,000
  • ーOfficeソフト ¥5,000
  • ーソフト一式 ¥8,000
  • =¥14,000

④残り¥14,000・・・ついにブラックボックスを開けるときが・・・・!!!

『パソコン1台売れて\14,000の利益しかないのか』とこの時点で思うのは仕方ないですね。
  ここからがこのお話の核心になりますので、もう少しお付き合いください。
実はまだ価格決定に必要な要素が出きっていません。。。。前回のお話続・パソコンは買うな!
から読まれてる方はお気づきかもしれませんが、アレがないんですよ、アレとアレらが。。。

PCケース…..

電源…………..!!

マザーボード…………………...!!!!!!
※細かい事言いだすともっともっとありますけど結論に変わりはないので割愛します。

 PCケースはメーカーの独自性の高い部分になるので、自社製なのはわかりきっています。
形状も独特なので、パーツメーカーが販売しているものとは比較しにくいですね。
電源、マザーボードはパーツメーカーが各種販売しています。
ピンキリですが、電源250w/¥2,000~650w/¥12,000↑↑、と品質、ワット数で様々です。
そしてマザーボードは、この説明だけで一本記事が書けるほど重要なパーツ、
・・・・・パーツというかこれが本体と言っても差し支えないでしょうね。
しかし、

問題なのは


この二点(電源、マザーボード)に関しては、


詳細を探しても見つからない

では限りある情報を元に推察していきましょう。
 メーカー製パソコンのケースというのは、各社独自性が高いものを採用しており、デザインから製造まで自社管理のはずです。おそらくはここで大幅にコストをカットしているでしょう。
市場に出回っている安いPCケースでも大体\3,000程度はしますので、品質の高さ等を加味すると、
恐らくは製造原価で~¥1,000程度ではないかと思います。
 次に、電源ですが、ワット数と品質によってピンキリです。高品質、高出力のものは基本的に、
ゲーミングPCやサーバーなど高額で安定性が求められるPCに採用されますが、一般家庭用のメーカーPCにおいては、最低300w~せいぜい500w程度のものを使用している場合が多く、品質に関しては測りようがありません。しかしながら、実際に搭載されている電源を直接見たり、長年故障対応をしていると体感的に決して品質がいいとは言い難いのが現実です。よってここは安く見積もって\2,000としました。

 さて、最後のマザーボード(MB)です。

マザーボード (: motherboard) とは、電子機器で使用される最も主要な電子回路基板のこと。MBと略される。メインボードシステムボードロジックボードとも呼ばれる。

 各パーツに電気を供給したり、お互いに情報のやり取りをするのを手助けする役割があります。ヒトの脊髄のようにパソコンの根幹を担う、隠れた最重要パーツです

実際にパソコンを組み立ててみるとわかりますが、この章で挙げたすべてのパーツ類は、MBに接続されることになります。MBがなければ何も始まらないのです。そんな重要なパーツの詳細が、
わからないのです。
 ちなみに、一般流通しているMBは、これもピンキリですが、\7,000~\30,000程度で買えます。
そして勿論ですが、どういったパーツに対応している、だとか、どの程度の処理速度まで対応できるだとか、それは細かい情報が開示されています。自作ユーザーはこういった情報を元にMBに対応したパーツを選別し、相性なども吟味したうえで選択するわけです。そんな重要なパーツの情報が、
公開されていないわけです。
CPU,HDD,メモリ,と同等かもっと重要なパーツの情報が、ですよ?
だから店頭のプライスだけで、パソコン選びをするのはやめましょう、と、
なんとなくわかりやすい情報だけで安い(高い)と錯覚して、安易にパソコンは買うな
と声を大にしているわけです。。。。でも一応最後までやっておきましょう。

  • 残¥14,000
  • ーケース    ¥1,000
  • ー電源     ¥2,000
  • ーマザーボード ¥5,000
  • =¥6,000

とても無理があると思いませんか?逆に考えれば、パーツ類だけでほぼ利益を食ってるから、
実質お得!と捉えることも出来なくはないです。しかし、そんなわけありません。
ここに諸々の諸経費が加わり、、、そして当然利益を生まなくてはいけません。
じゃあどうするか、見えない部分でコスト削りましょう、ということに繋がる、結果、、、、
品質の低く安価なパーツを採用しているのであろう、と。つまり電源やMBといった、一般的には
価値の勘定に入りにくい部分ですよね。心臓(電源)や脊髄(MB)が弱い(であろう)PC
あえて買わなきゃいけない理由ってなんでしょう?これも答えが出てます。
それ以外の方法を知らないから、ですよね。じゃあ自作すればいいじゃん=難しい/高い
そうですね、難しいかもしれません、でも

オーダーパソコンは無駄がありません。必要ないパーツソフトはそもそも組み込まなければいいのですしその分コストカットに繋がりますよね。更に、各パーツベンダーが自信をもって販売しているパーツの中から、自ら選ぶ事ができるので、品質をしっかり見極め守ることができます。
パーツの構成、見積もりや発注、組み立ては我々がお手伝い致します。なにも難しくはありません。お客様は、自分のやりたいことや予算を決めて下さい。それだけです。
性能や品質もさることながら、愛着が湧くのでパソコンを触るのも今よりきっと楽しくなることでしょう。一度買ってしまえば5年は付き合う事になる大事なパソコンです、この長々としたお話を見てしまったのを機に、一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。
いつでもご連絡おまちしております。

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